アイテム説明
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お酒を造るということ。越銘醸株式会社 杜氏 浅野宏文氏
日常にあるお酒造り
「私の両親も越銘醸でお酒を造っていて、日々の暮らしの中でお酒造りに触れる機会は多くありました。子供ながらにお酒を造る両親を見て、何となく楽しそうだと思っていました。」
「高校生になったことから酒造りを生業とする事を意識し始め、東京農業大学へと進みました。家業が栃尾地区のお寺であることもあり、家業と両立できるという観点からも、越銘醸でお酒造りに携わる、という事は自然な選択肢だったと感じます。」
杜氏として目指す美味い酒
越銘醸は、「越の鶴」、「越の川」、「本正」、「山城屋」、「壱醸」と５ブランドを軸にしたお酒を展開している。越後のお酒らしい淡麗なものが中心ながらも、ふくよかで香り高く、甘みを強く感じるお酒まで幅のあるブランド展開である。それらのブランド展開を醸造の観点から統括するのが杜氏の仕事だ。
「美味しいお酒、定義が難しいですよね。昔の杜氏には、「良い酒は売れる酒」と冗談交じりに言われたのを思い出しました。私が考える美味しいお酒は、何杯でも飲み続けられるお酒ですかね。」
「昔であれば、美味しくなくて飲めないお酒も沢山あって、美味い酒の定義はわかりやすかったのですが、今はどの蔵のお酒も美味い。美味いお酒も色々出て来ましたが、甘さや香りが強すぎると、飲み進めるうちに飲みづらくなってしまう。一杯で十分満足なお酒を造ってしまうと、飲み続けられない不安があります。」
「なので、私が考える美味いお酒は、二、三杯目が美味い酒です。お酒造りに向き合っていると、自分が理想とするお酒のあり方のイメージはついてくるのですが、買って飲んでくれる人にとっての美味さとは何か。よく考えます。以前は、10人いたら10人が美味い、と言ってもらえるお酒を理想としていました。実際は、人それぞれ味覚の差があり、味わいの表現にも差がある中で、それも難しいな、と。1人でも2人でも美味いと認めてもらえる酒が美味い酒なのかと、最近は感じています。」
毎日楽しむには、主張しすぎず、ただ確かな旨味とスッと喉に後味が消えていく飲み飽きなさのバランスが取れた「越の川」がおすすめ。地域でしか流通しない、地元の人が愛する美味しいお酒だ。
食事と楽しむのであれば、蔵人達が食中酒として自ら飲みたいものを造ったという、「山城屋」がおすすめだ。山城屋はお酒だけだと「未完成のお酒」と蔵人達は言う。その理由を食事と一緒に楽しむことで感じてほしい。生もと造りという手間がかかる造りの結果として得られる、旨味と酸味のバランスが静かに主張した後、食事の後味となじんでいく「山城屋」。日本酒は和食と思われがちだが、バターや肉のうま味にも負けないお酒である。
コメと向き合うという事
越銘醸では、栃尾地区で自ら田んぼを手入れし、自社で醸造するお米造りにも取り組んでいる。今でこそ日本酒における「ドメーヌ化」については、一部の蔵において脚光を浴びるようになってきたが、越銘醸はそんな流行が来るずっと前の、16年前から取組みを継続している。米を作り続けるからこそ見えてくることもあるという。
「越銘醸では棚田で酒屋さんと農家さんと共に米を作り、お酒を造っています。16年前に始めた取り組みで、中越地震があった後からですね。棚田の被害も大きく、稲作をやめる農家も多く出てきた時期でした。一方で、ちょうど越淡麗という、新潟で開発されたお米が出てきた事や、当蔵や酒屋さんも米作りから携わってみたいという話があり、偶然時期が重なったことから始まった取組みでもあります。」
「私が杜氏の立場としてこの取組みに参画して、9年が経ちました。今では今年どういうお酒に仕上げていくか、というイメージも付くようになってきました。米作りから携わることで、精米や吸水の勘所等、経験から見えてくることは大いにあります。近年では気候変動や異常気象も多く、産地間格差が広がる中でお米の品質を一定に保つことが難しい状況です。これからは尚更でしょう。常に美味しいお酒を造る為にも、この経験は活きてくると思います。」
環境変化はお酒造りの現場にも影響を与えている。だから妥協するのではなく、常に自らが考えるベストのお酒を作るための経験を積んでいく。クラフトマンシップがここにはある。
山城屋とは
「良いと思うものを、反応を見ながら都度変えていく方が商いとしての効率は良いと思います。ただし、造り手から見ると少し事情は違います。まず、商品を企画する、商品を分けるという事は、これまでと違う価値を提供する、という事。なので、いくら売れるからといって、他と同じお酒は造れません。また、変える事はいいことですが、大きく変える事は難しい。最初は評価が悪くても、造り続ける事で改善点が見えてくる、データが取れる事で経験につながる。時間はかかっても、結果として美味しいお酒になるかもしれない。」
「「山城屋」シリーズは、純米、かつ生もと造りで、精米歩合が50％以下のお酒です。当時あまりなかったので、この軸で造ってみようと決めました。その上で、生もと、純米という造り方、そして酵母の種類は変えない事として、毎年改善活動をしています。越銘醸のお酒は、キレイでスッキリというタイプのお酒が多いです。視点を変えると線が細い。ボディのしっかりしたお酒を造ろうとしたときに、甘さや香りだけで表現するのでは、越銘醸らしくないし差別化もできない。蔵としても差別化していくためには、蔵の良さが出たお酒の中をいかに良くしていくかが大切だと思いました。それを形にしたのが「山城屋」です。」
市場に寄り添う事が良しとされる風潮の中で、お酒は少し事情が違う。造り方にこだわり続ける事で成長してくる良さがある。造る人の顔と想いが見えると、飲む側が毎年の変化を楽しみに寄り添いたくなる、そんな魅力もあるのではないだろうか。「山城屋」シリーズの展開は、ブランド育成の取組みそのものだ。
生もと造りとは、「自然の力を活用した、昔ながらの日本酒の造り方」です。
昔ながらの造り方というのは、明治時代中盤まで主流だった日本酒の造り方を意味します。
日本酒が一般庶民に広がった４００年も前の、江戸時代に主流だった方法です。
生もとの「もと」は酉へんに元です。
これからについて。人として、蔵として -好奇心６、経験４-
「造り手として常に良いものを造るモチベーションは、アイデアを形にしていきたい好奇心が６位、経験を積んでいきたいという意欲が４位でしょうか。越銘醸では、年間40数本のタンクでお酒を仕込みます。大手の蔵ですと200本以上のタンクを仕込むこともあり、1年間の仕込みで5倍の差にもなります。色々な造りが出来る好奇心はある一方で、それだけで満足してはいけない。何倍も仕込む蔵との経験の差を埋めていく努力をしないといけない。その為には、お酒造りに細心の注意を払って、感受性を豊かにし色々なものをお酒造りの経験として、ノウハウにしていく必要があります。」
「経験を積むことで、経験則つまりカンをつけていきたいです。米の状況も毎年変わる中で、常に美味しいお酒を造るためには、状況に対応する力をつける必要があります。いつも思うのですが、昔の杜氏は凄かった。別の地域の蔵に出稼ぎに行くんですよね。設備も、水にも違いがある中で、カンを頼りにそれぞれの蔵の味を変えずに守ってきた。そんな経験に裏打ちされたカンを持ち、環境や条件の違いにかかわらず結果を出す杜氏に憧れがあります。それが私のなりたい姿です。」
越銘醸という蔵のあり方
「私個人の意見ですが、それぞれのお酒の違いを知ってもらい、好きなお酒と出会ってもらう事が出来る機会を持っていただきたいです。越銘醸という蔵が評価を受ける事はうれしいですが、越銘醸なら無条件に好き、というのも私の考える理想ではないかもしれなくて。越銘醸のお酒でも、Aは好きだけど、Bはいや、と言ってもらえた方が、お酒造りの観点からはいいのかもしれません。まず、違いが分かったうえで飲んでもらっている事が分かるのは、励みになります。また、評価の違いで浮き出てきた課題を改善して、お酒を更に美味しくしていくきっかけにもなると思います。」
「人は変わり、新しい人が酒造りを担う事にいつかはなります。そんな時でも、越銘醸のお酒を変わらずに飲んでもらえるかが大切です。なので、杜氏個人が主張すべき、というよりも、蔵や地域の歴史や風土がお酒を造る、という意識を強く持ってお酒を造っています。越銘醸という蔵が栃尾にある限り、同じように美味いと感じてもらえるお酒を造り続けること。その土台を作って行く事が、私の仕事だと思っています。」
最後に
越銘醸は、多様性と感受性がバランスした蔵元だと思う。蔵人達が「良いお酒」、というそれぞれが思い描くゴールに向かって精いっぱい努力する。その努力を積みあがるもの、着実にゴールに近づくためのものとするためには経験を積むことは必須であり、それぞれの蔵人が今取り組んでいる仕事をただの作業ではなく、自らの「経験」として認識していく感度の高さを持ち合わせた蔵だ。
お酒は、麹、酵母をはじめとした微生物を使い、制御する中で造られる日本独自のアルコール飲料だ。お酒の質は国際的にも認められつつあり、越銘醸のお酒もご多分に漏れず海外では高い評価を受けている。一方で、日本で消費されるお酒の量は、年々減少傾向にあることも事実だ。これまで表現されることが少なかった、造り手の想いや個性を紹介することで、日本のお酒の美味しさを再発見する人を一人でも増やしていきたいと思っている。
セット紹介 「越銘醸 STOREE SAISON限定セット(山城屋スペシャルクラス1本、越の川2本)」
今回、本企画限定で販売しているセットは、越銘醸が醸造する県外限定酒「山城屋」シリーズの中でも最上級酒である「山城屋 スペシャルクラス」１本と、地元栃尾で親しまれ、飲み継がれている「越の川」２本のセットです。しっかりしたボディ感と淡麗さを両立させた珠玉の食中酒と、栃尾地域でしか流通しない、地元で愛されている飲み飽きしないお酒、異なる２つの越銘醸代表作の飲み比べをお楽しみください。
画像出典：越銘醸株式会社 Facebook、Instagram
Shutterstock
アイテム情報
| 商品コード | AA0076-0013-P |
|---|---|
| 税区分 | ※10%対象 |
| ストア名 | SHUGO ECアプリ |
| このアイテムの発送目安 | ３～５営業日以内に発送 |
| 配送元 | 越銘醸株式会社 |
| 配送方法 | 宅配便／冷蔵 |
| メーカー／製造者 | 越銘醸株式会社 |
| 内容量 | 山城屋スペシャルクラス720ml 1本、 越の川720ml 2本 |
| 原材料／素材／材質 | ■山城屋 スペシャルクラス 規格：純米大吟醸 度数：15度 精米歩合：30％ 原料米/越淡麗 蔵元：越銘醸 日本酒度：+1.0 酸度：1.6 ■越の川 度数：15度 精米歩合：70％ 蔵元：越銘醸 日本酒度：+4～+6 |
| 原産国・原産地 | 新潟県 |
| サービス提供者 | INCLUSIVE株式会社 |
| その他詳細 1 | 「越銘醸が醸造する県外限定酒「山城屋」シリーズの中でも最上級酒である「山城屋 スペシャルクラス」１本と、地元栃尾で親しまれ、飲み継がれている「越の川」２本のセットです。 |
| その他詳細 2 | ■山城屋 スペシャルクラス 山城屋の最上級酒です。コクのあるミルキーさとレモンのような爽やかな柑橘系の香りが同居して、口に含むと淡麗でありながらも米の旨みのボリューム感や力強さ、酒としての存在感を感じます。また圧倒的な余韻の長さも特徴として挙げられるでしょう。最上級でありながら華やかさとは決別し、山城屋の特徴でもある「未完成さ」をまさに具現化した一本です。是非お料理と一緒に召し上がっていただき、このお酒を完成させてほしいと願います。 |
| その他詳細 3 | ■越の川 地元栃尾で親しまれるすっきりとした味わいと喉越しが自慢のお酒。 |
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商品コード：AA0076-0013-P
越銘醸 STOREE SAISON限定セット(山城屋スペシャルクラス1本・越の川2本)
1,300 ポイント
(5,850 円)
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越銘醸 STOREE SAISON限定セット(山城屋スペシャルクラス1本・越の川2本)
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