世界最高峰のシャンパーニュとして名高い「サロン」。「名前が掲載されるだけでも名誉」といわれるフランスのワイン評価本「レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス」ではシャンパーニュでたった9軒にしか贈られない最高評価（3つ星）を獲得していることでも有名ですが、サロンを何よりも有名にしたのは他の誰にも真似出来ない孤高のポリシーにあります。

サロンの目的は創業当時からただひとつ、「最高のシャンパーニュを造ること」。徹底して品質にこだわるため「今年のぶどうはサロンにふさわしくない」と判断すれば、その年には1本も造らないという姿勢を貫きます。なんと、20世紀の100年間で造られたのはたった37回だけというから驚きですね。

また、若いうちから飲みやすくするマロラクティック発酵という醸造法はせず、あくまでも長期間の熟成を前提に造ります。そのため、サロンが出荷されるのはぶどうが収穫されてから10年以上もあとのこと。

徹底したこだわりにより生み出される別格の美味しさで市場に出ればすぐに無くなってしまうというのに、リリースされるまでに10年以上もの時間がかかることから、サロンは「幻のシャンパーニュ」と呼ばれるようになりました。

そこで疑問に思ったのが「サロンが造られない年のぶどうはどこへ行くんだろう？」ということ。実はサロンの姉妹ブランド「ドゥラモット」に使われていたんです！

原料のぶどうだけでなく、サロンの醸造チームがドゥラモットを造っていますから、その味わいはまさに「プチ・サロン」。

グラスに注いだドゥラモットからは、蜜がたっぷり詰まった完熟りんごのように甘い香りや、フレッシュなグレープフルーツみたいな爽快感のある香りが一気に立ち上り、まるで香りが襲い掛かかってくるかのよう。

一口飲んでみると、カフェオレに乗ったムースのような泡がゆっくりと舌の上で溶けていき、フレッシュなフルーツの風味とイキイキとした酸味が口の中を満たします。

飲み込んだ後には爽やかな美味しさが残り、その長く続く優雅な余韻には思わずため息がこぼれます。

サロンの原料ぶどうを使い、サロンの醸造チームが造る「プチ・サロン」の贅沢な味わいを是非お楽しみくださいね。