桐箱は室町時代から茶道具、筆、紙をはじめ様々な大切なものを保存してまいりました。 その後時代がかわり、陶器、ガラス、漆、着物、帯、ここ近年では贈答品の果物の箱やお酒の箱まで時代が変わっても大切なものを入れるという柱は変わりません。 1929年創業の増田桐箱店では従来からの桐箱を大切に、そして今の生活にあう桐箱というものを考え、2015年より「桐箱のある生活」をテーマにまずこの米櫃を作成しました。 昔から茶箱や米櫃など桐箱はありましたが、私どもが目指したのは今の生活にあう桐箱で異素材や利便性を高める加工などこだわりのプロダクトです。 桐箱の老舗、増田桐箱店がつくるシンプルで暖かみのある米櫃です。 桐のもつ「調湿性」と「防虫効果」がお米を美味しく保ちます。

当社の米櫃で１kg、3kg、５kgは、縦横は同じサイズで高さの違いで内容量を分けております。それは、それぞれスタッキング【重ねること】ができるように工夫しております。最初は白米だけですが健康を考えたり、家族構成がかわったりして、玄米や雑穀米などそれぞれの種類ごとに重ねて保存できる工夫をしております。 また、ここ近年は結婚祝いや新築祝い、引っ越し祝いに米櫃を贈る習慣もあります。いただいたお祝いの米櫃を生活の中で長くご使用いただけるように、あとから買い足した１kgサイズや３kgサイズの米櫃も重ねて保存できるように工夫を施すことで、変化するライフスタイルにも適応できます。

従来の米櫃は総桐(全部桐の木)が多かったですが、 当社の米櫃は天面がアクリル板を使用しておりますので、ぱっと一目で中が見えるためお米の残量がわかります。 また、写真のように枡がマグネットで蓋裏に取り付けられるようになっております。 これは商品開発の過程で「枡ってどこかにいってしまう・・・」という従業員の声をもとに無くさない（枡がお米に埋まるのを防ぐ）工夫をしております。 米櫃を日ごろ使いながら枡がカチッとくっつくのも家事が楽しくなるのではと思っております。

当社の商品は中国から板を輸入して、福岡の自社工房で生産しておりますがこの板にもこだわりがあります。 当社では、まな板も生産するため商品安全基準をクリアした桐の板を使用しております。 直接お米を入れるものだからこの安全基準にこだわることで、皆さんに安心安全に使用してもらいたいと考えております。 また、桐の板は経年変化でどんどん色が変わっていきます。これは空気中の酸素と水分でタンニンが変化していくためです。 使いながら馴染んでいく素材でしっかりお米を保存していきませんか。

世の中、「機械化」「自動化」と言われておりますが当社では今でもほとんどの工程が手作業です。 時代遅れ？かもしれませんが、桐という柔らかく軽い素材を扱うには手作業が一番正確だからです。 その時の気候や湿度によって変化していく素材を長年の経験でカバーしつつ、量産もこなしていく職人たちが見えないところでも技術を発揮しております。