1952年明治時代より続く焼酎蔵元を、初代下田伯熊氏が買い取り創業。歴史ある球磨焼酎の中で最も新しい蔵元という事もあり、常に斬新で個性的な商品を生み出すことを心掛けてきた。先代は1986年に蔵元敷地内に湧く温泉水を使用した温泉焼酎を、1999年には牛乳を使用した牛乳焼酎を開発した。そして、現代表である下田文仁氏が蔵に戻り多くの書物を読み、研究し造り上げたのが玄米焼酎「隠礼里」である。

蔵のこだわりとして、全ての商品に共通しているのが天然温泉水を仕込み水として使用している点、通常アルコールは酸性であるがこちらの温泉水は弱アルカリ性で出来上がった焼酎もアルカリ性となり非常に人の体に優しく馴染みやすいpHとなっている。また、「隠礼里」に関しては麹、掛け共に玄米で仕込む。昭和30年頃の鉄釜と錫製の冷却蛇管の蒸留機に二段蒸留器を組み合わせた蔵元オリジナル、濃厚な味わいと切れの良い酒質が生まれる。3年以上の熟成を経て瓶詰めされるこだわりが詰まった数量、流通限定商品である。

明治波濤歌は明治時代の文献をもとに、可能な限り当時の製法を忠実に再現して現代によみがえらせた明治の球磨焼酎です。

田山花袋など明治の文化人が当時の球磨焼酎を高く評価した記述が残されているのですが、室町時代から明治まで四百年受け継がれたその味わいは、明治を境に押し寄せた合理主義の波にのまれ、残念ながら現代では失われてしまっていたものでもありました。

下田文仁氏は「失われてしまったものを取り戻したい」という一心で研究に取り組まれたそうです。まさに下田氏の情熱と執念により再現された逸品なのです。

原料は「玄米」のみ。伝統的な「黄麹」が使用され、室町から明治の終わりまで続いた「どんぶり仕込み」にて仕込まれます。これは玄米麹と炊いた玄米を一度に仕込むものです。熟成したもろみに木灰と籾殻を入れて笊でこし、その後「兜釜蒸留器」という明治時代と同じ寸法に再現された蒸留器にて蒸留を行います。直火にて炊き上げる釜から原液がちょろちょろと垂れてくる仕組みです。

このように古来の製法にて造られた「明治波濤歌」は素晴らしい独自の香りと味わいを持ちます。ほのかに香ばしく甘い香りに、玄米らしい力強さを伴った柔らかな旨味、とても深く濃い味わいが特徴です。

～直燗～
球磨地方の伝統的酒器「ガラ」を使用し弱火に直接かけ、40～50℃まで温める直燗。こちらは明治の焼酎本来の甘みや豊かな香味を愉しむことができる飲み方です。


～燗ロック～
直燗した熱い焼酎を氷をいれたグラスにゆっくりと注ぎ入れステアする燗ロック。こちらは「度数が高いのはちょっと苦手」という方にもおススメの飲み方。
燗をつけて豊かにふくらんだ香味はそのままに、キリッと冷えた、飲みやすい焼酎ができあがります。もちろん熱で氷は溶けますので「水割り」に近いアルコール度数にはなりますが、味わいはより深く甘いものになります。


～前割り燗～
前割り燗もおすすめです。予めお好みの濃さに割水しておいて、お楽しみください。
50℃前後の熱燗がおすすめです。 その味わいは、お湯割りとはまったくちがいます。
上品な香りとまろやかで豊かな味わい、甘みをご堪能いただけます。


～ロック～
定番の飲み方ロックも勿論美味しいです。よく冷えたグラスに大きめの氷を入れ.氷の表面を滑らせるように焼酎を注ぎ、しっかりとステアします。米本来のうまさを持った「明治波濤歌」はキリリと冷やしても甘みを十分に感じることができます。テーブルにチェイサーを置き、おいしい肴をつまみながら、ゆっくりとお楽しみください。
 

2020年7月に熊本県を襲った豪雨により、大和一酒造元は蔵や家屋の一階部分が完全に浸水し焼酎を造るための設備が水没・損壊、原酒の８割が流されるなど甚大な被害を受けました。一時は蔵の再興は難しいのではないかと思われたのですが、同じ地域の蔵元仲間の助力やボランティア、激励の手紙や寄付金などの支援により、少しずつ前を向き歩み始めたのです。

現在では総ヒノキ造りの麹室が完成、そして焼酎を造る設備に関しても仮の状態とはいえ復旧することができ、2020年の11月からは仕込みを再開するところまで前進しました。

ただ、いまだに店舗、事務所や貯蔵施設、一部倉庫に関しては手を付けられていない状態が続いており、復旧までにはまだ時間がかかる状態とのことです。
今回、微力ながらも、一日も早く完全復旧するお力添えが出来ればと思い、豪雨災害で被害を免れた貴重な焼酎を分けて頂きました。

是非、斬新な商品と伝統的な商品、二つの個性を生み出す大和一酒造元の焼酎をご賞味下さいませ。