1647年創業。現当主は久野九平治氏。既存の酒造りの枠に囚われることなく、酒文化の創造を目指す。原料の持つ個性やポテンシャルを重視し、兵庫県黒田庄や岡山県赤磐、プロヴァンスの米を自社栽培する一方、ブルゴーニュでブドウ栽培を行う。日本酒とワインの境界線をなくし、両者の経験や知識を融合させ、革新的な酒造りを行っている。萬乗醸造の日本酒は、すべて純米大吟醸クラスで、5つのラインナップで構成されている。田圃のテロワールを表現したOrigineシリーズ、異なる食文化との饗宴をイメージしたCollectionシリーズ、五味の立体感と品種の個性を表現したD?sir et Sauvage、食事のスターターとしての軽やかさを表現したD?couverteシリーズ、そして季節の酒。全体として、熟した果実味と、気品・優しさ・懐かしさを感じる酒質となっている。

正に特別に造られた「誂え品」であり、醸し人九平次の最高峰です。洋梨やメロンなどの熟した果実の香りに仄かにスパイスのニュアンス。口にすると旨味のアタック、上品な酸味、きめ細やかで心地よい苦みへと流れるように続きます。絹のような上質な滑らかさを持つこのお酒は同時に、重層的な味わいを持ち、含まれるエッセンスの多さがうかがえます。複雑さの上に成り立つ繊細さ、兵庫県産山田錦を35％まで磨き、お米の持つポテンシャルを最大限引き出した「何をもってフラッグシップなのか？」を体感できる一本です。パリの3つ星レストランにも認められた、フランス料理とも相性の良い味わいです。