1830年に創業し現在の蔵元で八代目。神奈川県愛甲郡愛川町という山間部の小さな町に位置し、緑に囲まれた鬱蒼とした小さな山のふもとにある。製造石数は約500石、一升瓶で計算すると50000本と小規模な酒蔵。メインブランドは「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」。地域の小字であり、屋号にもなっている「残草（ざるそう）」に、中国の伝説で東の海にあり仙人が住むという蓬莱山から「蓬莱」をとり、これらを合わせて「残草蓬莱」と名付けられた。製造しているお酒は純米酒。純米酒という、より多くの原料米を使用する日本酒を造ることで魅力ある米作農業を醸成し、さらに純米酒を飲むときに国産の材料を用いた食事を心がけることが漁業、畜産業という一次産業の活性化につながる。「みんながより良くなっていく。」日本酒を通じての社会貢献を常に考え、実践に移す、それが酒蔵の存在意義と考えている。「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」は通常の酵母の培養方法を行い、爽やかで飲み口の軽やかな酒質に仕上げており、また「昇龍蓬莱(しょうりゅうほうらい)」は生もと仕込みという伝統的な酵母の培養方法を行っている味わいのしっかりとした燗上がりする酒質に仕上げている。

昇龍蓬莱のスタンダードです！蔵主の大矢氏が1年～3年熟成させたお酒をブレンドさせて仕上げています。生もとに由来する心地よい酸味と、ブレンドによる程よい熟成感のバランスが素晴らしいです。派手さはありませんが滋味深く、おススメです。燗につけると味の輪郭が際立つとともに、一体感が生まれます。一息つきたいときに傍らに置いておきたい1本です。