ドメーヌ・レヌッチは1850年より代々家族で引き継がれ、1960年までは地域の修道院や教会のミサ用のワインを提供していました。現当主ベルナール・レヌッチは1991年にドメーヌを引き継ぎ、近代的設備の導入や、栽培面積を広げるなどの努力を続けています。
ドメーヌは、コルシカ島の北西バラーニュ地方の海と山に挟まれた小さな村フェリストにあり、海抜は400メートル。ブドウ畑やオリーブ畑、常緑の低木に囲まれています。「コルシカの果樹園」とも言われるこの地方は、島の中でも降水量が少ない地域で、乾燥して暖かく風通しのよい大陸性気候です。海抜200～400メートルに6区画所有するブドウ畑も、強い日差しと風で畑の土はいつも乾いており、この気候条件が病気や害虫の発生を抑えるのに重要な役割を果たしています。
伝統的な品種を使い、可能な限り自然な造りでテロワールを反映するコルシカのワインを、現当主ベルナールは「地中海の太陽に浸かったようなワイン」と表現しています。

1. 土壌・栽培・醸造
花崗岩と粘土砂地質の土壌で、畑は標高200~400m、南向きで日当たり良好です。栽培には有機素材が使用されており、収穫も丁寧に手摘みで行われます。

2. 香り、味わい
フレッシュな香りで、レモンやオレンジなどの柑橘系果実や、白い花、ハーブのニュアンスが感じられます。 口当たりは瑞々しく、果実味のボリューム感と適度な酸味がバランスよく楽しめます。ほのかに塩味を感じるミネラル感もあります。

3. 合わせたい料理
魚介のアヒージョやエビの香草焼き、魚介のラグーパスタなどと相性抜群です。

このワインを飲んだ時、ブルゴーニュの「グリオット・シャンベルタン」のようだと、感じました。さくらんぼや、ソルダム（スモモの一種）の要素を強く感じて、果実味満載。伸びやかな余韻が素晴らしく、本当に美しいワイン。彼らしい「ふわっとした触感」は健在で、見事なエレガンスを保っています。レヌッチ家 のワインは、発酵に樽を使っていないので、透明感が見事で、果実味の純粋な「力」と、テロワールの個性が際立っていて、本当に鮮やか。これにはやはり、豚肉や牛肉を炙って、塩だけ振りかけ、口の中に放り込みたいです。また、トマト、バジルを使ったピザ（マルゲリータ）も食べたくなります。上質な白カビチー ズ（少し熟成して円やかなカマンベール、ブリー）や、青かび（ロックフォール）もオススメです。