アンリオは1808年の創業以来家族経営を貫く、今では数少ない老舗シャンパーニュメゾンです。かつては宮廷御用達ともなった高品質なシャルドネを活かし、エレガントな味わいの長熟タイプのシャンパーニュを世に送り出しています。
 
アンリオが使用するブドウの大半はグラン・クリュとプルミエ・クリュで、格付け率の高さはメゾンの特徴の１つです。

また、スタンダードにおいても豊富なリザーヴワインを使用し、ぶどうの品質の高さゆえ、法定期間を超える長期熟成を実施。これらにより、複雑で深みのあるメゾンのスタイルを表現しています。


 

通常、ピノ・ノワールとシャルドネという対極的な個性を持つ偉大な2品種にピノ・ムニエを入れるとバランスが良くまろやかで口当たり優しい味わいに仕上がります。

一方アンリオは極力ピノ・ムニエを使わないことで、この2品種によるダイナミックでメリハリのある味わいを生み出しています。ピノ・ムニエに頼らずに、この対極的な２品種を調和させることが出来るのは「時間の力」以外にはありません。

アンリオ社が掲げる『Time becomes light』は『時が輝く』とも訳されますが、これは「時間」が美味しいシャンパーニュを作るということの証です。アンリオではセラー面積の約半分しか仕込みの際に使用していません。これはじっくりと時間をかけ熟成さるスペースを確保するためです。そのお陰でアンリオのシャンパーニュには味わいの深みが感じられるのです。

「売り上げ至上主義のシャンパーニュハウス」が多い中、生産量を敢えて増やさずひたすらに「旨さ」を追求こだわる家族経営のメゾン。インターナショナルワインチャレンジの「ワインメーカーオブザイヤー」を2年連続受賞するという偉業を成し得た前醸造責任者がアッサンブラージュに5ヶ月を要するほどに、仕込みに十分に力を入れています。

また、メゾンのセラーはクリュッグとロデレールに挟まれ、熟成させると蔵クセが似ているとよく言われます。

『至高の辛口』と名付けられているスタンダードキュヴェ。スタンダードとはいえ瓶内での熟成は3年以上。ムニエ種を殆ど使わないのでプレステージ・シャンパーニュの佇まいがあります。

食前のみならず食中でもどんなお料理をも受容してくれる安心感。他のメゾンより頭ひとつ抜きん出ているスタンダードシャンパーニュといえるでしょう。

購入してから一年おけば複雑な香りと旨みがより増します。シャンパーニュのステレオタイプな表現が『スッキリ爽やかキレが良い』だとすると、それとは真逆に位置するシャンパーニュラバーの心を鷲掴みする、通好みのしっかりした味わいです。