【佐多宗二商店】
1908年創業。国内での販売に加えて早くから海外を意識した経営をしており、1958年には「角玉梅酒」をロサンゼルスに輸出した実績を持つ。原材料に関しては鹿児島県内でもサツマイモの名産地である地元南薩摩、頴娃町産のサツマイモを使用しており、継続可能な農業サイクルを支えるため契約農家と一体となり最高の原材料を使用している。蔵元の最大のこだわりは蒸留である。従来の焼酎蔵が酒質の向上、多様化を目指す際には原材料や酵母などの醸造までにこだわるが、佐多宗二商店はヨーロッパへ自社商品の商談に行き各地の蒸留所を訪問した際の「このスピリッツはこの蒸留器を使うからこの味に仕上がる」という各生産者の話を聞き、『焼酎を世界のスタンダードスピリッツにする為には蒸留に力を入れるしかない』と思い、そこから原材料にこだわるのは当然とし、設備を含む蒸留技術の向上によって商品の多様化を図っている。蒸留技術の向上に伴い、直接加熱蒸留法で造られる代表銘柄の「晴耕雨読」や「不二才」などに加え、近年では間接加熱蒸留シリーズの「XXⅣ」や「LXX」などをリリースし、本格焼酎の全く新しい味わいの扉を開いた。

【赤屋根製造所】
2006年、スピリッツ免許の取得と共に稼働が始まった「焼酎を世界のスタンダードスピリッツ」へ昇華させる為の新しい蒸留所。蒸留所の赤屋根は、蔵元の師でもあるオードヴィーの法王ことジャンポール・メッテの蔵があるフランス・アルザス地方の街並みを想わせる佇まい。以前より本館で稼働しているのが従来の焼酎で使用される直接加熱蒸留器。赤屋根製造所で使用しているのが世界のスタンダードな間接加熱蒸留器であり、イタリア製のグラッパ蒸留器やドイツのアーノルドホルスタイン製蒸留器、シャラント式のアランビック蒸留器と世界中の様々な蒸留器が集まる。赤屋根製造所で造られるAKAYNAEシリーズは焼酎の醪を使用した少量生産のこだわりのジャパニーズスピリッツ。日本らしい山椒や生姜を漬け込んだボタニカルスピリッツやウォッカ、クラフトジンを中心に製造している。AKAYANEシリーズの本格的なリリースは2021年からと比較的新しいが、既に日本だけではなく世界のスピリッツ品評会で評価されており、「世界のスタンダードスピリッツ」へのステップを着実に上っている要注目の蒸留所である。

輝きのあるクリア。野生のベリーや植物の青い茎を連想させる香り、ライムの皮、ジャスミンの白い花や石灰、微かに生姜や麝香臭と共にアルコール臭も追いかけてくる香り。口に含むと原料ベースとなる薩摩芋の甘い風味と共に、ジュニパーベリーから感じるボタニカルの植物由来の香りと優しい苦みが、とても心地好い味わいを楽しめます。 ストレートは勿論、フレッシュなライムや冷やしたトニックウォーターとも好相性です。、是非試して頂きたいのが、シンプルにこれをお好みの量のジンとお湯で割った「ホットジン」。この中にひとつまみの岩塩とライムピール、そして小さく切ったローズマリーを入れても、更にこのジンの個性を引き立ててくれることでしょう・・・。

ジュニパーベリーの風味を細心の注意をはらい、最大限に引き出すように浸漬し蒸留された「鹿児島産クラフトジン」をどうぞお楽しみください。