1908年創業。国内での販売に加えて早くから海外を意識した経営をしており、1958年には「角玉梅酒」をロサンゼルスに輸出した実績を持つ。原材料に関しては鹿児島県内でもサツマイモの名産地である地元南薩摩、頴娃町産のサツマイモを使用しており、継続可能な農業サイクルを支えるため契約農家と一体となり最高の原材料を使用している。蔵元の最大のこだわりは蒸留である。従来の焼酎蔵が酒質の向上、多様化を目指す際には原材料や酵母などの醸造までにこだわるが、佐多宗二商店はヨーロッパへ自社商品の商談に行き各地の蒸留所を訪問した際の「このスピリッツはこの蒸留器を使うからこの味に仕上がる」という各生産者の話を聞き、『焼酎を世界のスタンダードスピリッツにする為には蒸留に力を入れるしかない』と思い、そこから原材料にこだわるのは当然とし、設備を含む蒸留技術の向上によって商品の多様化を図っている。蒸留技術の向上に伴い、直接加熱蒸留法で造られる代表銘柄の「晴耕雨読」や「不二才」などに加え、近年では間接加熱蒸留シリーズの「XXⅣ」や「LXX」などをリリースし、本格焼酎の全く新しい味わいの扉を開いた。

「不二才」とは鹿児島の言葉で「不細工な男」という意味です、その名の通り、いい意味で武骨で男性的な焼酎です。濃厚な芋の香りに、しっかりとした芋の味わいが口に広がる昔ながらの味わい。
焼き芋、ほのかに鉱物や穀物を発酵させた香りがあり、口に含むと、煎った黒ごま、黒胡椒のスパイシーな風味なども感じられます。芋の風味が強い焼酎をお探しの方におすすめです。甘辛く濃い味付けの料理の他に、ナッツやチョコレートとも好相性です。ロック・水割り・お湯割り、お好きな飲み方でどうぞ！「不二才」は直接加熱蒸留にて造られています。

名称の由来は同蔵の焼酎「不二才」に「不二才」と同じもろみを間接加熱蒸留で蒸留した芋焼酎を70％配合していることから。おとなしくクールで精悍な佇まいの雰囲気に例えてもよさそうな都会的なイメージの焼酎です。しかし、グラスに注いで立つ穏やかなマシュマロ（甘い香りの印象）の様な香りは、一面に広がる芋畑の風景を連想させてもくれます。口に含むと、さつま芋の甘味とまろやかで丸味のある優しいキレを楽しめます。あっさりした料理からこってりした料理まで、さらには食後にブランデーのように飲むのもおススメです。

直接加熱蒸留器について
芋焼酎のモロミは粘性が高いため、蒸気で希釈しながら加熱しないとモロミが焦げてしまいます。
この方法は粘性の高いのが特徴である芋焼酎のモロミをいかにスムースに蒸留するかを考えた蒸留方法で、蒸留釜内に差し込んである蒸気配管より直接モロミに蒸気を当て、モロミを動かしながら温めます。直接モロミに蒸気を入れるため蒸留終了後のモロミの量が蒸気によりうすまり増えます。例えば、3トンのモロミを蒸留すると、蒸留終了後のモロミは蒸気の水分により約3.3トンに薄まり増えます。

間接加熱蒸留器について
この方法は世界の蒸留酒の一般的な蒸留方法で、モロミに直接、蒸気を入れずに周りから温めます。
蒸留器の外側を覆うスチームジャケットに蒸気を入れ温めます（鍋を火にかけて温めるようなイメージです）。この方法はフルーツブランデーやグラッパ等、世界の蒸留酒が古くから使用している原始的な蒸留方法です。直接モロミに蒸気を入れないため、蒸留終了後のモロミの量が揮発したアルコール等の分減ります。

同じレシピの料理を作る時、強火で30分かけて作るか、弱火で60分かけて作るかでは、味が違う料理になることを想像できると思います。また、普通の鍋で作るか、圧力鍋で作るかで、味が違う料理になることも想像できると思います。 蒸留も同じで、蒸留時間や釜の性能により、同じモロミからいろんな酒質が醸されるのです。これも焼酎の醍醐味だと思います。 是非、蒸留における味の違いをお楽しみ下さいませ。