サーロインの下に位置する細長い部位「ヒレ」。
赤身肉にも関わらず筋肉を全く使わない部位のため、牛肉の中で一番やわからい肉質が特徴です。
そのきめ細やかなサシが織りなす舌触りは非常にまろやかで、クセのない上品な味わいは万人受けし、脂肪がほとんどないのでカロリー控えめと良い点しかありません。
しかし牛肉の枝肉のうち3％ぐらいしか取ることができず、値段は全牛肉部位の中で一番高いです。
サーロインが「牛肉の王様」と呼ばれるのに対し、ヒレが「牛肉の女王」と冠され、霜降りのサーロインか赤身のヒレかで人気を二分しています。

ヒレには、シャトーブリアン以外にも希少部位があります。
テートはヒレ元/ヒレ頭とも呼ばれ、一般的なヒレステーキはこの部分を指します。
ヒレの太くなっている側で、モモに近いので赤身が強くなっています。
色は若干黒くサシも全くありませんが、とても柔らかくて気品のある赤身肉です。

ヒレの中ではシャトーブリアンよりも取れる量が少ないヒレミニョン。
非常に柔らかく、先端が細くなっていて大きな盤が取れず、1頭に500gほどしかありません。
また食べ方にコツがある部位でもあります。
面が小さく高さがありますが、焼く際は包丁の切り口側が焼く面です。
高さをお好みで2~3cmにカットしてお召し上がりください。

和牛の等級としてA4,A5といった表記をよく目にすると思います。
実はこれは美味しさで評価しているものではないのです。
詳細を説明すると長くなるので簡単に説明すると、アルファベットは歩留等級（骨や脂肪を取った整形部分がどれだけあるか）を示しています。
そして数字は脂肪交雑(BMS)、色(BFS)、締まりときめ、色沢(BCS)の４つの総合評価を１～５で示しています。
これらは全て見た目のみの基準ですが、日本では脂ののった牛ほど高級とされているため、同じA5等級の中でも脂肪交雑(BMS)が非常に重要視されています。
BMSは12段階の評価ですが、8~12だとA5等級となり、同じA5等級の中でも8と12を比較するとその見た目や霜降りの質は雲泥の差です。
当店の仙台牛はこの希少な12番のみを取り扱っています。