赤芋焼酎は香りが命です。芋由来の華やかな香りは赤芋焼酎の大きな特長のひとつであるため、その香りを損なわない様、酒質に影響を与えにくいステンレスやホーローのタンクで貯蔵されるのが一般的でした。
その常識に挑んだのが当蔵の杜氏・有田 忠司と蔵人たちです。香り高い事で知られる赤芋“ベニアズマ”をはじめとする赤芋で丹念に仕込んだ焼酎を甕に貯蔵し、その香りが飛ばないギリギリのタイミングを見極めました。
仕上がった焼酎は、赤芋のフルーティな香りと甕貯蔵の奥深い味わいが見事に調和した、まさに絶品です。匠の技が生んだ銘酒「赤魔王」が誕生した瞬間でした。

「赤魔王」は発売以降、その香りと味わいが高く評価され、販路限定の商品でありながら数多くの焼酎ファンの心を掴む人気商品となりました。その後、豪華な化粧箱入りのプレミアムバージョン「吉祥赤魔王」を季節限定品として発売しました。
杜氏のこだわりにより原酒の混和率を上げたその味わいは、赤芋の甘みと甕貯蔵のコク、そして後味のキレが最良のバランスを構成し、ロックはもちろん、お湯割り、炭酸割りにも良く合います。金色の華やかな化粧箱付でギフト好適品としても高い評価を受けています。

日南市北郷町、総面積の９割近くが森林という自然あふれるこの町には、日本で最も開花の早い桜のひとつ「日南寒咲一号」や約一万本の桜が咲き誇る「花立公園」など桜の名所が数多くあり、社名の由来ともなっています。
北郷町の山あいにある当蔵では、豊富な水量を誇る「猪八重渓谷」の伏流水を仕込み水に使用し、「無月」「赤魔王」をはじめとする焼酎・リキュール・スピリッツを展開しています。
当蔵の誇る甕貯蔵庫には日本最大の約5,500基もの大甕があります。
高温で焼成された甕から出る遠赤外線効果や甕内部の微細な孔による呼吸作用により焼酎の熟成が促進され、香りや味わいが深くまろやかになります。

「人がつくり、時が育てる」
蔵人達が精魂を込めて造り上げる本格焼酎に秘められた味わいを引き出せるのは、甕の作用と貯蔵庫の中で静かに流れる時間だけです。今この瞬間も甕の中で焼酎原酒がゆっくりと熟成を進め、いつか訪れる出荷の時を待っています。