王紋酒造は、今より200年以上前、寛政２年（1790年）に創業した新潟県新発田市の酒蔵です。
創業時の酒蔵が諏訪神社前にあったことから、「諏訪盛」という銘柄でお酒造りを始めました。創業以来地域に愛されるお酒を造りながら、新しいことに挑戦してきた蔵でもあります。

例えば、現在の主力銘柄である「王紋」は、四代目蔵元市島長松の発案により欧州文化やワインを連想させるデザインとしたり、昭和54年に全国初の女性一級酒造技能士が誕生し、女性が活躍する酒蔵の先駆けとしても知られるなど、新しいことにも積極的に取り組んでいます。

王紋酒造では、普段は新潟県産の五百万石や越淡麗を使用しお酒を醸造しています。これらの酒米を用いて、王紋酒造では新潟らしいスッキリ淡麗なお酒から、しっかりした米の旨味を表現したお酒まで、消費者のニーズに合うお酒を醸造してきました。その技術力は広く認められており、全国新酒鑑評会においては過去20年で金賞8回、入賞６回の実績を持つ蔵です。直近では、IWC（インターナショナルワインチャレンジ）純米大吟醸の部で「夢 純米大吟醸」がSILVERメダルを、大吟醸の部で「王紋 吟の慶」がBRONZEメダルを受賞しました。

王紋酒造の杜氏である田中氏は、高校卒業後王紋酒造に入社し、入社以来王紋酒造の歴代の杜氏の下で、お酒造りを修行されてきました。地域の酒蔵と連携し、お互いの技術を高めるために杜氏や技術者を集めた勉強会である「育醸会」を設立する等、王紋酒造だけでなく新潟のお酒造りの底上げを支援する取り組みにも積極的に参加しています。田中杜氏は、王紋酒造に入社してすぐに造りに配属され、以来お酒造り一筋で経験を積んできました。学校で醸造を学ぶというより、かつての杜氏や蔵人から教わりながら技術を身に付けてきたそうです。

王紋酒造は、これまでのお酒造りの既成概念にとらわれず、新しいお酒の可能性を追求している蔵です。例えば、新潟県産の「ゆきの精」や「つきあかり」、あるいは「しんのすけ」といった、飯米として用いられるお米を使ったお酒造りにも挑戦しています。