1928年、地域の農家十数軒が株主となって姥ヶ迫焼酎株式会社として創業。その後、1949年に現社長の父親が社長に就任、1971年に松露酒造株式会社に改名し1990年に現社長が継ぎ松露酒造伝統の味を守り続けています。また、松露酒造は「宮崎酵母」の発祥の蔵であり、技術の粋を尽くしこの酵母の能力を最大限引き出す為の探求を続けています。

焼酎に使われるシラス台地を通って湧き出る水は、古来より名水と知られ蔵元の味の決め手の一つとなっており、焼酎は昔ながらの香り深くコクのある味わいに仕上がります。また松露酒造では普段は農業をしており、芋の収穫時期である9月～13月だけ焼酎造りを行うという焼酎の味わいだけでなく、昔ながらの製法や杜氏の仕事の仕方も受け継ぎ伝承しています。

松露酒造のコンセプトの根幹は全て、「いつも飲めるもの」。
その為、特別に強い香気などの特徴をあえて酒質には表現せず、優しく飲み手に寄り添えるよう、どこか落ち着きのある味わいに仕上げることを大切にしています。そして、近年は造り方の伝統を守りつつも、芋の品種や麹など様々な原料にチャレンジするなど、目の離せない蔵です。

～松露 芋～

創業当時より造られ地元で飲まれ続けている、歴史のある銘柄。
蒸した穀物の香りや香ばしさがあり、しっかりとした旨味と甘みのバランスが優れています。原料由来の鹿児島らしい力強さと、酵母由来の宮崎らしい優しいアロマは、蔵がある県境の串間を感じる酒質です。
ロックや水割りでは甘みと爽やかさが際立ち、お湯割りでは力強い風味が広がります。醤油や味噌と砂糖を使った甘辛い料理と相性の良い一品です。

～松露 くろむぎ 麦～

原酒は平成十六年製造の長期熟成酒を使用。
麦の香ばしさとバニラの様な甘い香り、僅かに感じるスパイス香が印象的。熟成からくる重心の重い甘みと凝縮された旨味を持ち、口触りは柔らかですが長い余韻を楽しめます。
ロックではザラメ、お湯割りではキャラメルのような甘さを感じ、飲み方により異なった印象を受ける奥深い酒質です。トーストやカツレツなどの香ばしいものやデザートとよく合います。